1999年10月6日(水曜日)、静岡新聞 (夕刊)

「サンダル底材をリサイクル」
―静岡などの異業種組合―

   サンダルの製造過程で出る底型をくりぬいたくずをリサイクルしようと、静岡市などの異業種企業でつくる「高機能材料開発協同組合」(山村淑雄代表)が素材研究と製品開発に取り組んでいる。再成形してサンダル底に再利用するほか、れんが型やマットに加工してプランターカバーや室内レイアウトにも活用の道を研究している。
 組合員はサンユーケミカル(静岡市、サンダルメーカー)、大堀化学工業(藤枝市、プラスチック成形加工)、村上化学静岡支店(静岡市、化学製品商社)、桑原嗣商店(同、履物底材)の四社。

 同組合によると、サンダル底材の打ち抜きくずは静岡市内で毎月平均約60トン出るという。一部はセメントの増量材として利用してきたが、ほとんどが焼却や埋め立て処分している。

 リサイクル製品は粉砕した廃材を新品のEVA(エチレン・酢酸ビニール共重合樹脂)材料に混ぜて発泡成形する。軽量、保温性、弾力性のほかカットしやすい、脱臭や抗菌などの機能をつけやすい- などの利点が生まれる。「れんが」は室内でのガーデニングや床、壁に安全に利用できるという。

 しかしサンダル材への再利用の課題はコスト。すべて新しい材料で作ったものや輸入品の方が安いため、リサイクル製品にも市場価格性が求められる。販売店の製品への理解も不可欠で、販売ルートなどが確保できれば本格生産に入れるという。平成6年に発足した同組合は二年前から現在の四社態勢。一部製品は市場に出しているほか、各地の展示会の内装にも利用されるようになった。

 山村代表は「焼却や埋設にもコストはかかる。環境の点からも底材リサイクルはサンダル業界にプラスになる。来年の春までには本格的な商品化のめどをつけたい」と話している。

 問い合わせはサンユーケミカル内高機能材料開発協同組合事務局(054-259-1360)へ。

 

[>> HOMEへ戻る]  



Copyright 1999 by Ohori Chemical Industry Co., Ltd.  
All right reserved